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「私たち」は "we" ではない

和文英訳をするとき、日本語で「私たち」と書いてあれば、当然のように "we" と訳していました。それは間違いだそうです。

「日本人の英文法 完全治療クリニック(T.D.ミントン 著)」を読みました。
とても勉強になる本だと思いますが、とくに面白いと思ったものが「私たち」の訳です。

「私たちは、私たちを取りまく多種多様な色に影響を受けている。」という文に対して、
"We are influenced by various colors in our daily life."
と訳した学生がいたが、この訳は文法的には誤りではないが、意味は全然違うということです。

"we" には明確な対立概念である "they" が存在するけれど、上記の日本語の「私たち」は「人々全般」のことなので対立概念は存在せず、伝えようとする意味が違ってしまうそうです。この場合には、"we" ではなく "you" を使えば、話し手とその他すべての人を含むことになるとのことです。
"you" が一般の人のことだとは知っていましたが、その知識は英文を読むときしか活かされていなかったということに気づきました。

上記の英文は "various" にも問題(various が示唆する数は「たくさん」ではない)があって、最終的には次の訳例が挙げられています。
"You are influenced by all the different colors around you."

この本は一読の価値があります。

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翻訳勝ち抜き道場

サン・フレアという会社で『翻訳勝ち抜き道場』というのをやっていると知り、
第4回(http://shuppan.sunflare.com/dojo/contest_rank_list.php?num=4)
の問題に挑戦しました。
第3回までの問題を見たら、英文の理解という点では難しいものはないなと感じましたが、第4回はとても難しく、内容の理解に苦しみました。
結果は15点満点中12点でした。やはり英文の理解が足りなかったようです。翻訳するときどんな点で悩んだのか、メモしておきます。

---翻訳対象部分-----------------------------------
And there, in that nameless hovel, with death on the hearthstone and death and life hovering over the pitiful bed, the three great men went through the pain and the horror and squalor of birth, and they knew that they had never yet stood before so great a mystery.
--------------------------------------------------

(1) death and life hovering over the pitiful bed
 life が、生まれてくる赤ん坊の生命のことなのか、母親の命のことなのかが判りませんでした。解説では「death and lifeは死んでいく女性と生まれる新しい命を指します」とあります。わたしは母親の命のことだと誤解しました。"hovering over" という表現が使われていて、ベッドの上ではなく、ベッドの上の空間に死と生が浮かんでいるというイメージが、赤ん坊の生命に結びつかないような気がしたからです。
 the pitiful bed にも悩みました。pitiful がベッドそのものを修飾しているのか、ベッドとその上に横たわる妊婦まで含めて、見ている作者の気持ちを表現しているのかが判りませんでした。わたしは後者だと思いましたが、解説では、「粗末な」「みすぼらしい」という意味だとされています(全体的な意味ととってもいいかもしれないとも書かれています)。

(2) went through the pain and the horror and squalor of birth
 squalor がどういう意味なのかが解りませんでした。この単語には冠詞がついていないので、horror and squalor で一組なのだろうと思って調べました。辞書では判らず、インターネットの検索で "the horror and squalor of life" というのが72件見つかりました。その他に、ニューオリンズの洪水の際の状況として "the horror and squalor of the Superdome stadium" という表現もありました。ひどく混乱した状況のことかなと思いましたが、適当な訳語は見つけられませんでした。どう解説されるのか期待していましたが、the pain 以下は、「妊婦さんの、肉体的苦痛、精神的恐怖(お産で命を落とす人もいるし、自分の身体がどうなるのだろう、という不安もあります)、それから出血を伴うお産の現実、動物的状況」だとされ、「出産にともなう苦痛と恐怖と穢れ」と、別々に訳されていました。わたしは、「恐怖」または類似の訳語だけは避けるべきだと思って悩んでいたので、見当違いだったようです。

実際に自分で訳してみるととても勉強になることが分かったので、引き続き挑戦するつもりです。

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否定

本屋で「謎解きの英文法 否定(久野すすむ・高見健一 著)」を見つけました。「謎解き」シリーズはこれが3冊目になります。わたしは「否定」がとくに苦手なので、さっそく読んでみました。

この本では、否定を文否定と構成素否定に分類しています。
- 文否定の例:  No tap water is 100% pure.
- 構成素否定の例:No news is good news.

例として挙げられている次の文を見ると、否定というのは難しいなとつくづく思います。
17a. He would kick me under no circumstances.
  (どのような状況でも蹴ったりはしない)
17b. He would kick me for no reason.
  (理由もなく蹴るだろう)
17a が文否定、17b が構成素否定ということですが、これを見ると、否定がどちらに属するかは、形ではなく意味が先にあるようです。

さらに、部分否定、全体否定という用語も使っています。これは、文中に always, entirely, quite などの全体性を意味する単語を含む否定文です。
- 部分否定の例:The rich are not always happy.
- 全体否定の例:The rich are always not happy.
そして、全体否定も部分否定も文否定の一種であることを説明しています。

全体に、ざっと読んだだけでは身につきませんが、barely の用法についてはとても勉強になりました。
barely には肯定的な意味と否定的な意味の両方の使い方がありますが、イエスかノーかに分けられるようなケースは肯定的な使い方で、イエスとノーの領域が量で決まるようなものは否定的な使い方になるようです。
- 肯定的:We barely caught the 12:00 flight.
     (12時のフライトにかろうじて間に合った。)
     → 間に合うか・合わないかのどちらか
- 否定的:I can barely hear you.
     (ほとんど聞こえません。)
     → 聞こえる度合いが量で決まる

その他に、much/many, any, few, only などの使い方も説明されています。

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